日産ラシーンは四角いだけじゃない?背面タイヤが似合う「小さな四駆」の話

街でふと見かける、四角くて少し不思議な車。後ろにはスペアタイヤが付いていて、SUVのようなのに、どこかステーションワゴンにも見える。

それが日産ラシーンです。

今の車とは違う雰囲気に、「これ、新車で売っていたら欲しいかも」と感じる人もいるのではないでしょうか。

ただ、ラシーンの面白さはレトロな見た目だけではありません。今回は、形やサイズ、当時の広告から、この車の個性を見ていきましょう。

ラシーンは「昔風に作った最近の車」ではない

ラシーンは1993年の東京モーターショーに出展され、1994年に発売されたコンパクトRVです。日産の公式ヘリテージ資料では、2000年に生産を終了したと紹介されています。

今から見るとレトロな車ですが、実際に1990年代に登場したモデルなんですね。

車名は「羅針盤」に由来する造語。行き先を決める道具を名前にしているところも、旅を連想させる外観によく似合っています。

出典:日産公式・ラシーン タイプII

四角いのに、背が高すぎないのが面白い

ラシーンの形を見ると、ボンネット、屋根、後ろの荷室が、それぞれはっきり分かれています。

大きなタイヤと高い車体で迫力を出すというより、低めの屋根と直線的なボディで、道具のような雰囲気を作っているように見えます。

日産が保存する1995年式「タイプII」の寸法は、全長4,115mm、全幅1,695mm、全高1,515mmです。

ここで気をつけたいのは、これは保存車両の仕様の数字だということ。同じラシーンでもグレードや装備によって寸法が異なるため、すべての車にそのまま当てはめないようにしましょう。

幅が気になったら、数字だけでなく、ミラーを含めた実際の幅やドアを開ける場所も確認したいですね。

出典:日産公式・保存車両の主要諸元

四駆だけど、本格オフロード車という位置づけではない

背面タイヤを見ると、山道をぐいぐい進む車を想像するかもしれません。

でも、日産の公式資料では、ラシーンは本格的なオフロード走行を目的とする四輪駆動モデルではなく、街で気軽に使える車として説明されています。

つまり、たくましい見た目だからといって、悪路での能力まで外観だけで判断するのは早いわけです。

この「街にも似合う冒険風の車」という受け止め方をすると、ラシーンの形が少し分かりやすくなります。

アウトドアの道具を普段の暮らしでも使いたくなる。そんな感覚に近い魅力があるのかもしれません。

出典:日産公式・ラシーンの成り立ち

背面タイヤは、後ろ姿の大きなアクセント

ラシーンを後ろから見たとき、目を引くのが背面のスペアタイヤです。

四角い車体に丸いタイヤが組み合わさることで、前から見るのとは違った表情になります。カバーの色や状態によっても、印象が変わって見えますよね。

一方で、中古車を検討するなら、見た目だけで終わらせたくない部分でもあります。

実車では、スペアタイヤを支える部分の状態や操作方法、荷室を開けるのに必要な後方の余裕を確かめましょう。

車を停められても、その後ろで荷物を出し入れできるかは別の話。駐車場所の壁や、後ろに停まる車まで考えると、使い方を想像しやすくなります。

ドラえもんだけじゃない。当時のCMにも独特の世界観

ラシーンの広告でドラえもんを覚えている人もいるかもしれません。

日産の公式FAQには、1997年のCMの出演者としてドラえもんが記載されています。さらに、1998年のラシーンフォルザのCMでは、ムーミンとスナフキンが登場しています。

フォルザのCMは、ミニチュアと実写などを組み合わせて制作したと説明されています。

性能を数字で伝えるだけでなく、車の周りにひとつの世界を作る。そんな広告の見せ方も、ラシーンを振り返る楽しさのひとつです。

なお、これらは当時の広告の話で、現在のキャンペーンではありません。

出典:日産公式・ラシーンのCMについて

今から買うなら「きれいな外装」と「整備内容」を分けて見る

ラシーンは2000年に生産を終了した車です。2026年時点で選ぶなら、年数を経た中古車として向き合う必要があります。

外装がきれいに仕上げられていても、それだけで機械部分の状態までは分かりません。

購入前は、次のような点を販売店に確認するとよいでしょう。

● 整備記録が残っているか

● 納車までに、どの部品を点検・交換するか

● 下回りや車体にサビ、腐食がないか

● エアコンや窓、ドアなどが正常に動くか

● 修理が必要になったとき、誰に相談できるか

● 保証の対象と、対象外になる部分はどこか

再塗装や内装の張り替えが行われている車なら、その施工内容も聞いておきたいところです。

「自分好みの色か」と「長く付き合える状態か」。この2つを分けて見ると、選ぶ基準がはっきりします。

ラシーンは、直線的なボディに背面タイヤを組み合わせ、街でも旅の気分を感じさせてくれる車です。

最新の便利さを求める選び方とは少し違って、形を眺め、成り立ちを知り、維持する方法まで考える。その過程にも楽しさがある一台ですね。

※歴史・諸元は日産の公式資料を確認。寸法は掲載された保存車両の仕様で、年式・グレード・装備・改造内容により異なります。中古車の状態は個体ごとに確認してください。

Twitterでフォローしよう

おすすめの記事