
四角いSUVが好きなら、ホンダ・エレメントを一度見てみてください。
大きな窓と箱のようなボディ。停まっているだけでも個性的ですが、本当に面白いのは、横のドアを開けたときです。
前後のドアが左右に開き、車内が大きく姿を現す。その仕組みには、見た目だけではない狙いがありました。
エレメントは、2003年に日本で発売されたSUV
ホンダは2003年4月16日にエレメントを発表し、同月18日に日本で発売しました。
発売時の公式資料によると、デザインのモチーフは、アメリカの若者にとって自由な生き方を象徴する「ライフガードステーション」。海辺の監視施設を発想の出発点にしていたんですね。
車体を眺めると、確かに普通の乗用車というより、小さな基地のようにも見えます。
大きさや迫力だけでなく、「この車で何をしよう」と想像したくなる形。それがエレメントを見る楽しさのひとつです。
観音開きの狙いは、横から大きく使えること
エレメントの特徴は、両側に設けられた観音開きのサイドアクセスドアです。
前のドアと後ろのドアが、それぞれ反対方向に開く構造。両方を開けると、中央に固定された柱がない、大きな開口部が現れます。
ホンダの公式ファクトブックでは、前のドアは最大78度、後ろのドアは90度まで開くと説明されています。
人が乗るだけでなく、横から荷物を出し入れする場面も想像しやすいですよね。車内と車外の境目が薄くなるような開き方です。
「中央に柱がない」から、補強にも工夫がある
ドアを開けた状態を見ると、「柱がなくて大丈夫なの?」と思うかもしれません。
ホンダは発売時の資料で、部材の断面を大きくすることや、接合部の強化などによって剛性を確保したと説明しています。また、側面衝突時のドアの侵入を抑えるための仕組みも採用していました。
開口部を大きくするために、周囲の構造まで考えているわけです。
ただし、これは当時の設計についての説明です。現在の車と安全性能が同じという意味ではありません。中古車を選ぶ際は、装備と車両の状態を別途確認しましょう。
スライドドアとは違う。駐車場での動きも確かめたい
大きく開くドアは魅力ですが、スライドドアのように車体に沿って動くわけではありません。
隣の車や壁との間隔によっては、写真のように全開にできない場面も考えられます。
実車を見るなら、開いた姿だけでなく、次の動きも試してみたいところです。
● 前後のドアを開閉する順番
● 後席の人が乗り降りするときの動き
● ドアを途中まで開けた状態での使い勝手
● 大きな荷物を横から入れる際に必要な場所
使い方は、その車に対応する取扱説明書や販売店の案内で確認してください。
「大きく開くから、どこでも便利」と考えるより、自宅の駐車場でどう動くかまで想像すると判断しやすくなります。
中古車は、ドアの開閉も見て選ぼう
2003年に登場したエレメントを今から検討するなら、年数を経た中古車としての確認も必要です。
外装の色やカスタムに目が行きますが、この車ならではのドアまわりも見ておきましょう。
● ドアが無理なく開閉し、正常にロックされるか
● 開閉時に異音や引っかかりがないか
● ゴム部品の傷みや、雨漏りについての履歴
● ドアまわりの修理歴と整備記録
● 必要な修理や部品について相談できる先
そのほか、下回りの状態やエアコンなど、一般的な中古車の点検も大切です。気になる部分は、購入前に販売店へ確認してください。
エレメントの四角い形は、眺めるだけでも楽しいものです。でも、横のドアを開くと、車内を大きく使うための発想が見えてきます。
「SUVはどれも似て見える」と感じている人ほど、ドアの開き方から車を見てみると、新しい面白さに出会えるかもしれません。
※歴史・構造はHondaの発売時資料をもとにしています。日本仕様を中心とした説明で、実車の仕様や状態は年式・販売地域・改造内容などによって異なります。










