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自動車保険の見積もりで、「車両保険の免責金額」を変えると保険料が下がることがあります。
「5万円より10万円の方が安いなら、10万円でいいのでは?」
そう思っても、事故が起きたときの負担まで確認してから決めたいところです。
免責金額は、保険料を調整する項目であると同時に、修理時に自分が負担する金額でもあります。
この記事では、5万円と10万円をどう比較するか、数字の意味から順に解説します。
※情報確認日:2026年10月24日。選択肢や補償条件は保険会社・商品・契約条件によって異なります。
結論。「安くなる金額」と「事故時に払える金額」をセットで考える
同じ補償条件なら、一般に免責金額を高くすることで保険料を抑えられます。
一方、補償対象の事故で修理する場合、自己負担が増えることになります。
ソニー損保も、免責金額を決める際は、修理代の自己負担をどこまで許容できるか考える方法を紹介しています。
大切なのは「どちらが一律に得か」ではなく、次の2つを確認することです。
● 免責を変えると、年間保険料がいくら変わるか
● 事故時に、その自己負担額を無理なく用意できるか
保険料の差は、実際の見積もりで確かめましょう。
免責金額とは、修理時に自己負担する金額
車両保険の免責金額は、保険金を受け取る際の自己負担額です。
例えば、保険の支払い対象となる修理費が20万円だった場合を考えます。
● 免責5万円なら、自己負担5万円・保険金15万円
● 免責10万円なら、自己負担10万円・保険金10万円
※単純化した計算例です。保険金額の範囲内で、免責をなくす特約や相手からの賠償などがない場合を想定しています。実際の支払いは契約条件によります。
免責10万円だから、修理のたびに保険会社へ10万円を支払うという意味ではありません。基本的には、損害額から免責金額を差し引いて保険金が計算されます。
修理費が免責金額より少なかったら?
例えば、支払い対象となる修理費が4万円で免責5万円なら、その車両損害について支払われる保険金はありません。
また、修理費が7万円で免責10万円の場合も同様です。
免責金額を高くすることは、小さな損害を自分で負担する範囲を広げることでもあります。
「5-10万円」は、5万円か10万円を選べるという意味ではない
見積書には、「5-10万円」「10-10万円」などと表示されることがあります。
例えば、ソニー損保の案内では、保険期間中の車両事故について、次のように説明されています。
● 5-10万円:1回目は5万円、2回目以降は10万円
● 10-10万円:1回目も2回目以降も10万円
このため、「免責5万円にしたつもりでも、2回目以降は10万円」という設定があります。
比較するときは、最初の数字だけを見ず、保険期間中の2回目以降の負担も確認してください。事故の数え方など、分からない部分は契約先へ質問しましょう。
免責5万円を検討しやすいのは、こんな場合
事故時に10万円を用意すると生活費に影響が出るなら、自己負担を低くする設定を検討する意味があります。
例えば、毎日の通勤や送迎に車が必要で、修理費のまとまった出費に備えておきたい場合です。
ただし、5万円なら安心と決めつけず、2回目以降の金額も見てください。0円の設定など、ほかの選択肢があるかも商品によって異なります。
「自分なら支払える」と考えた金額が、家計全体でも無理のない額かを確かめましょう。
免責10万円を検討しやすいのは、こんな場合
ある程度の修理費を自己負担できる余裕があり、小さな損害は自費で対応する考えなら、免責を高める選択肢があります。
ただし、貯蓄があることだけで決める必要はありません。
見積もりを取り、保険料の差が小さいと感じれば、低い免責を選ぶ判断もできます。逆に、年間負担の差を重視する場合でも、事故時の出費に備えるお金は別に確保しておきたいところです。
「保険料が下がったから、その分すべて使ってよい」と考えず、自己負担を引き受ける設定だと理解して選びましょう。
免責が低くても、毎回保険を使うとは限らない
免責金額と、保険を使った後の保険料への影響は別の話です。
事故の内容によっては、保険金を請求すると翌年の等級や事故あり係数適用期間が変わり、その後の保険料に影響します。
チューリッヒも、事故の種類に応じた等級の取り扱いを案内しています。
出典:チューリッヒ「保険金を請求する場合、翌年度の等級はどうなりますか?」
そのため、事故後は次の点を契約先に確認してから、保険を使うか判断しましょう。
● 支払い対象となる修理費
● 免責を差し引いた保険金の見込み
● 保険を使う場合と使わない場合の、その後の保険料の見込み
「保険金が少し出るから、必ず使った方が得」とは限りません。事故の連絡・相談と、保険金を請求する判断は分けて確認できます。
「免責ゼロ」でも補償対象が広がるとは限らない
免責をなくす特約があっても、すべての事故で自己負担がなくなるとは限りません。
例えばチューリッヒは、1回目の事故に関する「免責ゼロ特約」と、相手が確認できる車同士の事故を対象とする「免責ゼロ特約(車対車)」を区別しています。付帯できる補償タイプにも条件があります。
また、免責は保険金の自己負担に関する設定です。もともと補償対象外の損害が、免責を低くしただけで補償されるわけではありません。
補償範囲と免責金額は、別々に確認しましょう。
見積もりは、免責以外をそろえて比べる
保険料の差を確かめるなら、まずは同じ保険会社で、ほかの条件を変えずに免責だけを変更してみると分かりやすくなります。
次に、ほかの保険会社も比較したい場合は、次の条件をそろえましょう。
● 運転者の範囲と年齢条件
● 使用目的と年間走行距離
● 車両保険の補償タイプ・保険金額
● 1回目と2回目以降の免責金額
● 代車などの特約
同じ免責設定を選べない商品もあります。その場合は、条件の違いを理解したうえで比較してください。
一括見積もりサービスを使う場合も、各社の見積もりが完全に同じ条件か、自分で確認することが大切です。
毎年の保険料と、事故時の自己負担。その両方に納得できる条件を探してみましょう。
よくある質問
全損でも免責金額を引かれますか?
例えばソニー損保は、全損の場合は自己負担額がないと案内しています。全損の判定や支払条件は、契約先の約款・説明で確認してください。
免責10万円なら、自己負担は必ず10万円以内ですか?
必ずとは限りません。免責は自己負担全体の上限ではありません。補償対象外の費用や、支払限度額を超える部分などは別に考える必要があります。
5万円から10万円にすると、保険料はいくら下がりますか?
一律の金額は示せません。車や契約条件などで異なるため、実際の見積もりで確認しましょう。
免責選びは「事故時の家計」まで考える
免責を高くすると、保険料を抑えられる可能性があります。その代わり、修理時に自分で負担する範囲が広がります。
先に払える自己負担額を考え、その後で保険料の差を比べる。
この順番で確認すると、見積書の安さだけに引っ張られず、自分に合った条件を選びやすくなります。








