
スズキが誇る軽スポーツカー「アルトワークス」は、1987年の初登場以来、走りを愛する多くのファンに支持されてきた。
軽自動車の枠を超えた走行性能を持ち、カスタムの自由度の高さからも多くのユーザーに親しまれている。
ここでは、歴代アルトワークスの特徴や進化、そしてプロドライバーのインプレッションを交えて詳しく紹介する。
◆ 初代(1987年-1994年) – 軽ターボスポーツの誕生
◇ モデル概要
1987年、スズキは4代目アルト(CA71型)をベースに「アルトワークス」を登場させた。
これは、軽自動車でありながら本格的なスポーツ性能を持つクルマというコンセプトのもとで開発された。
このモデルの最大の特徴は、軽自動車初の64馬力ターボエンジンを搭載していたことだ。
当時の軽自動車の出力自主規制上限をいち早く達成し、パワフルな走りを実現した。
◇ 主要スペック
- エンジン:F5A型 550cc 直列3気筒ターボ
- 最高出力:64馬力
- 駆動方式:FF / 4WD
- ミッション:5速MT / 3速AT
- 車両重量:600kg前後
◇ プロドライバーのインプレッション
「軽量ボディ+ターボエンジンの組み合わせが素晴らしく、当時の軽自動車の概念を覆すような加速力を持っていた。
特に4WDモデルは峠道でのグリップが高く、コンパクトながらスポーツカーのような挙動を見せるのが面白い。」(レーシングドライバー A氏)
◆ 2代目(1994年-1998年) – 660cc時代の幕開け
◇ モデル概要
1990年に軽自動車規格が改正され、エンジン排気量が550ccから660ccへと拡大。この規格変更に伴い、1994年に登場した2代目アルトワークス(HA11S型)は、F6A型エンジンを搭載し、より扱いやすい特性へと進化した。
◇ 主要スペック
- エンジン:F6A型 660cc 直列3気筒ターボ
- 最高出力:64馬力
- 駆動方式:FF / 4WD
- ミッション:5速MT / 3速AT
- 車両重量:700kg前後
◇ プロドライバーのインプレッション
「エンジンのトルク特性が良くなり、ターボの効き方がよりリニアになった。
サスペンションも強化され、初代モデルよりもシャープなハンドリングを実現している。
4WDモデルは特に雨の日の走行安定性が向上し、ミニラリーカーのような仕上がりになっている。」(元ラリー選手 B氏)
◆ 3代目(1998年-2004年) – K6Aエンジンの採用と走りの進化
◇ モデル概要
1998年に登場した3代目アルトワークス(HA21S型)は、スズキの新世代エンジン「K6A型ターボエンジン」を搭載。
このエンジンは、オールアルミ製で軽量かつレスポンスが良いことで知られ、初代・2代目とは異なるフィーリングを持っていた。
◇ 主要スペック
- エンジン:K6A型 660cc 直列3気筒ターボ
- 最高出力:64馬力
- 駆動方式:FF / 4WD
- ミッション:5速MT / 4速AT
- 車両重量:730kg前後
◇ プロドライバーのインプレッション
「K6Aエンジンは回転がスムーズで、ターボのブーストがしっかり効いている。
シャシー剛性も向上し、特にサーキット走行ではキビキビとした動きを見せる。
ワインディングでもFFと4WDでキャラクターが大きく異なり、走りの楽しみ方が広がった。」(モータージャーナリスト C氏)
◆ 4代目(2015年-2021年) – 伝説の復活
◇ モデル概要
2015年、スズキは8代目アルト(HA36S型)をベースに、約11年ぶりとなるアルトワークスを復活させた。このモデルでは、R06A型エンジンを搭載し、車重を軽量化することで走行性能を向上させた。
◇ 主要スペック
- エンジン:R06A型 660cc 直列3気筒ターボ
- 最高出力:64馬力
- 駆動方式:FF / 4WD
- ミッション:5速MTのみ(AT設定なし)
- 車両重量:670kg前後
◇ プロドライバーのインプレッション
「ハンドリング性能が飛躍的に向上し、クルマとの一体感を感じられる仕上がり。
ターボラグが少なく、特にMTモデルはドライバーがダイレクトにエンジンを操れる感覚が強い。
軽量ボディとスポーツ専用サスペンションの組み合わせで、まさに“走りのためのクルマ”といえる。」(プロレーサー D氏)
◆ まとめ – 軽スポーツの名車、アルトワークス
アルトワークスは、軽自動車でありながらもスポーツカーに匹敵する走行性能を持ち、多くのドライバーを魅了してきた。
特に、「小さくても走る楽しさは変わらない」というスズキの哲学が詰まったクルマであり、走りを楽しみたいユーザーにとっては唯一無二の存在だった。
もし次世代のアルトワークスが登場するなら、どのような進化を遂げるのか。
EVやハイブリッド技術の進化により、新たなスポーツ軽自動車の可能性が開かれるかもしれない。未来の軽スポーツ市場に、期待が高まりますね。
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