
「新車=高い」「中古=安い」は半分正解で半分不正解。
5年総額(購入→維持→売却)で見ると、走行距離が多い人・低金利で買える人は“新車がむしろ得”になるケースが現実にあります。
一方、初期費用を強く抑えたい人・年間走行が少ない人・装備に強いこだわりがない人は“認定中古の良玉”を選ぶのが合理的。
この記事では「価格」「維持費」「安心」「リセール(売却価値)」をぜんぶ数値と実務ノウハウで見える化します。


この記事でわかること
- 新車と中古で総額がどう変わるか(5年TCOシミュレーションつき)
- 向いている人・向いていない人が一目でわかる早見表
- 中古車の“地雷”を避けるチェックリスト
- カローラで損しない買い方・値引き交渉のコツ
- リセールを意識したグレード/ボディタイプの考え方

すぐわかる早見表:新車/中古どっち向き?
あなたの条件 | 新車が有利 | 中古が有利 |
---|---|---|
年間走行距離 | 多い(10,000km以上):燃費差・保証で総額有利 | 少ない(〜7,000km):初期費用が軽い恩恵が大きい |
資金・金利 | 低金利やメーカー残価設定が使える | 現金派/金利が高いローンしか通らない |
最新安全装備へのこだわり | 強い(最新の予防安全・ナビ等) | こだわり薄、装備は「そこそこでOK」 |
乗り換え前提(5年以内) | 強い(高い下取りを狙える) | 長く乗る(8〜10年)・リセール重視しない |
不確実性(故障リスク) | 極力避けたい(新車保証最強) | 整備履歴が明確な認定中古を条件にすればOK |
カローラを選ぶ前提整理(モデルと使い方)
- ボディ:セダン(カローラ)、ワゴン(カローラ ツーリング)、ハッチ(カローラ スポーツ)
- 用途:
- 通勤・営業で走行多め→ハイブリッド×セダン/ワゴン
- レジャー荷物多め→ツーリング(ワゴン)
- 取り回し重視&街乗り中心→スポーツ(ハッチ)
- 燃費・静粛性はハイブリッドが優位。走行距離が伸びる人ほどガソリン車との差が総額に効きます。
新車 vs 中古:メリット・デメリット丸わかり
新車のメリット
- 最新の安全装備・燃費・ナビをフルで発注
- メーカー保証(一般+特別)+ディーラーのメンテパックで安心
- ボディ色・内外装・メーカーOPを自由に選べる
- 残価設定・低金利が使える時は月額が下がりやすい
- 初回車検は3年でラク
新車のデメリット
- 当然ながら初期コストが高い
- 値落ちは初年度が大きめ(ただしカローラは安定感あり)
- オプションの“盛りすぎ”で支払総額が膨らみがち
中古のメリット
- 初期費用が軽い(税金・保険もやや抑えやすい)
- 「装備そこそこ+走行少なめ」の掘り出し物が見つかる
- 納期が短い。即納可が多い
中古のデメリット
- 装備・色が選べない/妥協点が出やすい
- 保証の手厚さはピンキリ(認定中古は手厚い)
- 見た目がキレイでもタイヤ・バッテリー・ブレーキなどで追いメンテ費がかかる場合あり
5年総額(TCO)シミュレーション
前提(あくまで一例の概算)
- 年間走行:12,000km、ガソリン170円/L
- 新車HV:車両280万円+諸費20万円=300万円/燃費22km/L/5年後売却170万円
- 5年落ち認定中古HV:車両160万円+諸費15万円=175万円/燃費20km/L/5年後(10年落ち)売却50万円
- 維持費(税・保険・車検・消耗品):新車70万円・中古85万円(目安)
計算結果(概算)
- 新車HV:
- 燃料:12,000km÷22km/L×170円×5年 ≒ 46.4万円
- 総額:300万円 + 46.4万円 + 70万円 − 170万円 = 約246万円
- 5年落ち認定中古HV:
- 燃料:12,000km÷20km/L×170円×5年 = 51.0万円
- 総額:175万円 + 51.0万円 + 85万円 − 50万円 = 約261万円
▶ この条件では新車の方が約15万円お得。
理由は、燃費差に加え、5年後の“売却額(残価)”が高いため。
一方、年間走行が少ない/中古の購入価格をさらに抑えられるなら、中古が逆転します。
重要:金利・地域・相場でブレます。自分の走行距離・金利・見積もり・買取相場を当てはめて必ず再計算しましょう。
「得」を最大化するグレードと装備の考え方
- ハイブリッド×安全装備フルは総額で有利になりやすい
→ 事故回避・燃費・リセールの三拍子で効く - ナビはディーラーOP“以外”も検討
→ 社外ナビやスマホ連携でコスト最適化 - ボディカラーは人気色(白・黒・シルバー系)はリセール強め
→ 奇抜色は気に入ればOKだが売却時に弱いことも - 寒冷地・セーフティパッケージなど「後付け困難な装備」は最初に押さえる
認定中古(ディーラーU-Car)が“強い”理由
- 修復歴・走行メーターの管理が厳格、返品基準・交換基準が明確
- 保証が全国ディーラーで使える(旅先・引っ越し先でも安心)
- メーカー点検整備・消耗品の交換実施などの整備履歴が透明
価格はやや上がるが、「安物買いの銭失い」を防いで総額メリットに繋がりやすい。
中古の“地雷”を避けるチェックリスト
- 修復歴(骨格部位交換・修正は避ける/記載なしでも下回り・トランク床・ピラーの歪みを確認)
- 整備記録簿(オイル・ATF・ブレーキフルード・冷却水・バッテリーの交換履歴)
- タイヤ残溝/年式(4本交換で数万円〜十数万円…見積に織り込む)
- ブレーキ・足回り(ローター摩耗、ショックの抜け、タイロッドブーツ破れ)
- 異音・異臭(エンジン始動時・減速時の唸り、室内のカビ臭/ペット臭)
- 電装(パワーウィンドウ、バックカメラ、センサー、キーのスペア有無)
- リコール・サービスキャンペーン(実施履歴の確認)
- 保証継承(メーカー保証が残る個体は必ず継承手続き)
値引き・支払いを最適化するコツ(新車・中古 共通)
- 下取りと買取を分離
ディーラー下取りだけで決めず、買取専門で相見積→ディーラーにぶつける。 - 付帯品は“選ぶ”
コーティング・フロアマット・ETC・ドラレコは社外比較でコスト圧縮。 - 決算期・登録末(3月/9月/月末)を狙う
在庫と数字の関係で条件が出やすい。 - ローン金利は総額インパクト大
残価設定や低金利キャンペーンを総額で試算。金利が高ければ現金+最小限ローンに切り替え。 - 保険は“補償重視×ネット見積”
代理店とダイレクトの相見積りで1年あたり数万円差が出ることも。
ケース別おすすめ戦略
- 通勤・営業で月1,000km以上走る
→ 新車ハイブリッド+安全装備フル。5年売却で残価も高く総額優位に。 - 週末の買い物・送迎がメイン(年間〜5,000km)
→ 3〜6年落ち認定中古。装備は安全系を優先し、消耗品状態で個体差を吟味。 - キャンプや荷物が多い
→ カローラ ツーリング(ワゴン)。積載と走りのバランス良好。 - 街乗りと駐車のしやすさ重視
→ カローラ スポーツ(ハッチ)。視界・取り回し・装備のバランス◎。
よくある失敗と回避法
- 値引き額だけで決める → 「金利・下取り・付帯品」の合計差で逆転しがち
- 中古で“外観だけキレイ”に釣られる → タイヤ・ブレーキ・バッテリーで即数万〜十数万
- リセールを無視 → 5年後の残価で十万円単位の差
- 試乗不足 → ハイブリッドのブレーキフィールやロードノイズは体感差が大きい
納車・契約までのタイムライン目安(新車)
- 見積比較(2〜3社):装備を“削る”視点で再構成
- 試乗&在庫確認:装備・色の妥協点を決める
- 下取り相見積:ディーラー提示+買取専門を競合
- 支払い計画FIX:金利と残価、保険料まで総額で比較
- 契約→登録→納車:ETCセットアップやドラレコ位置も要確認
新車・中古 共通チェックリスト(保存版)
- 契約前最終見積に**「諸費用の内訳」と“不要OP削除”**が反映されている
- 支払い総額(車両+OP+諸費用+金利)で比較している
- 保険見積(対人対物無制限・車両保険の免責・代車特約等)を取った
- 下取りは査定書を残し、傷の申告範囲を双方で確認
- ETC・ドラレコ・ナビの型番と配線取り回し指示を明文化
- スペアキー・取説・整備記録簿の有無
まとめ:カローラは“総額”で選ぶと失敗しない
- 走る人+低金利可+5年で乗換 → 新車の方がむしろ得な局面がある
- 走行少+現金派+装備こだわり薄 → 認定中古が王道
- どちらにせよ、燃費・金利・リセール・消耗品を織り込んだ**総額(TCO)**で判断すれば、後悔しません。
- 人気色×安全装備×適度なOPは、乗る間も快適で、売る時も有利。