
はじめに
最近「iDeCo(個人型確定拠出年金)」という言葉をよく耳にしませんか?
将来の老後資金づくりに役立つ制度として注目されていますが、実際に利用している人の中には「思ったより使いにくい」「やめておけばよかった」という声もあります。
そこで本記事では、iDeCoのメリットとデメリットをわかりやすく解説し、あなたが「続けるべきか?やめたほうがいいか?」を判断できるように徹底ガイドします。

iDeCo(イデコ)とは?
iDeCoは、個人が自分で積み立て、投資信託や定期預金などで運用し、老後の年金として受け取る制度です。
大きな特徴は「税制優遇がある」こと。掛金が全額所得控除されるため、節税効果を得ながら資産形成が可能です。
iDeCoのメリット
1. 掛金が全額所得控除される
毎月の掛金がそのまま所得控除されるため、住民税・所得税が安くなる。
年収500万円の会社員なら、年間数万円の節税が可能です。
2. 運用益が非課税
通常、投資で得た利益には20.315%の税金がかかりますが、iDeCoなら運用益も非課税。
長期投資で大きな差が出ます。
3. 受け取り時も控除がある
年金として受け取る際に「公的年金等控除」、一時金として受け取る際に「退職所得控除」が適用され、税負担をさらに軽減できます。
4. 強制的に積立ができる
「気づいたら使ってしまった」という心配がなく、半ば強制的に老後資金を積み立てられる点もメリット。
iDeCoのデメリット
1. 60歳まで引き出せない
最大のデメリットはここ。途中解約できないため、「急な出費で使いたい」と思っても下ろせません。
2. 運用リスクがある
定期預金を選べば元本保証ですが、利回りはほぼゼロ。
投資信託を選べばリターンを狙える一方で、元本割れのリスクがあります。
3. 手数料がかかる
加入時、運用中、受取時に手数料が発生。
特に運用中は毎月数百円のコストがかかるため、少額積立だと利回りを食いつぶすことも。
4. 転職・退職時の手続きが面倒
勤務先の制度によっては移管手続きが必要になり、放置すると「運用できないまま手数料だけ払う」状態になることも。
iDeCoをやめたほうがいい人の特徴
- 生活費に余裕がない人
急な出費に備えて流動性のある資金が必要な場合、iDeCoは不向き。 - 短期間で資金を使う予定がある人
住宅購入や子どもの教育費など、10年以内に大きなお金を使うなら他の制度を検討したほうが良い。 - 投資リスクをとりたくない人
運用成果は自己責任。リスクを極端に嫌う人にはストレスになりやすい。
iDeCoを続けたほうがいい人の特徴
- 長期的に資産形成したい人
20代・30代から始めれば、複利効果で大きく資産を増やせる。 - 節税メリットを最大限活用したい人
高所得者ほど節税額も大きいため、掛金の効果が大きい。 - 強制的に老後資金を積み立てたい人
自分に甘い人ほどiDeCoは有効な仕組み。
iDeCoと他の制度の比較
制度 | 引き出し可能時期 | 税制優遇 | 流動性 | 向いている人 |
---|---|---|---|---|
iDeCo | 60歳以降 | 掛金控除+運用益非課税+受取時控除 | 低い | 長期投資派 |
NISA | いつでも | 運用益非課税 | 高い | 短中期投資派 |
銀行預金 | いつでも | なし | 高い | 安全重視派 |
iDeCoをやめる前に考えるべきポイント
- 掛金を減額する
無理のない範囲に調整すれば続けやすい。 - 商品を見直す
リスクが高すぎる商品を選んでいるなら、より安定的な運用に変更。 - 併用制度を検討する
NISAや積立投資と組み合わせれば、バランスよく資産形成可能。
まとめ
iDeCoは「やめたほうがいい」という意見もありますが、それは**「仕組みを理解せずに始めてしまった人」や「ライフスタイルに合っていない人」**に多いです。
- 節税をしながら長期的に資産形成したい人には大きなメリット
- 生活費に余裕がない人や短期でお金を使う予定がある人には不向き
結論としては、**「やめる」よりも「使い方を工夫する」**のが賢い選択です。