
目次
- はじめに
- 不動産担保ローンとは?
- 借入可能額の決まり方
- 不動産評価額とは?3つの算出方法
- 借入可能額の目安とシミュレーション
- 銀行・ノンバンクごとの違い
- 金利と返済シミュレーション
- 複数の不動産を担保にできる?
- 借入額を増やすためのポイント
- 審査基準とその通過のコツ
- 借入に向いている不動産とは
- 借入額が少なくなるケースと対策
- よくある質問と回答
- まとめ

1. はじめに
「不動産を担保にしたらいくら借りられるのか?」
これは不動産担保ローンを検討している多くの方が最初に気になる疑問です。
この記事では、不動産の評価額や借入可能額の計算方法、評価が上がる物件の特徴、銀行とノンバンクの違い、実際の借入シミュレーションなどを徹底的に解説していきます。


2. 不動産担保ローンとは?
不動産担保ローンとは、自宅や所有する土地、建物などを担保にして金融機関から融資を受ける仕組みです。
担保提供によって「借入金額が大きい」「金利が低め」「使い道が自由」などの利点があります。

3. 借入可能額の決まり方
借入できる金額は、不動産の「評価額」と「融資掛目(融資率)」で決まります。
- 評価額:不動産の現在の市場価値
- 融資掛目(LTV):評価額に対して何%まで融資するか(通常50~80%)
計算式
借入可能額 = 不動産評価額 × 融資掛目(%)
4. 不動産評価額とは?3つの算出方法
① 実勢価格(市場価格)
現在の売買市場での取引相場。最も現実的な評価基準。
② 路線価
国税庁が発表する土地の価格。相続税評価の基準になる。
③ 固定資産税評価額
市区町村が課税のために算出する価格。路線価の7割程度。
金融機関では、実勢価格をベースに、各種調整を行って評価額を決定します。
5. 借入可能額の目安とシミュレーション
物件例1:都内の一戸建て(評価額5,000万円)
- 融資掛目70%
- 借入可能額:3,500万円
物件例2:郊外の土地(評価額2,000万円)
- 融資掛目60%
- 借入可能額:1,200万円
物件例3:区分マンション(評価額3,000万円)
- 融資掛目75%
- 借入可能額:2,250万円
6. 銀行・ノンバンクごとの違い
比較項目 | 銀行系 | ノンバンク系 |
---|---|---|
融資掛目 | 50〜70% | 最大80%も |
評価方法 | 厳しめ | 柔軟・実勢価格重視 |
金利 | 2〜4% | 3〜7% |
審査期間 | 長い(1〜2週間) | 早い(最短2日) |
7. 金利と返済シミュレーション
借入額:3,000万円
金利:3.0%(固定)
返済期間:20年(240回)
返済方法:元利均等返済
月々の返済額:約16万円
総返済額:約3,900万円
繰上返済をすると、利息軽減効果が大きくなります。
8. 複数の不動産を担保にできる?
可能です。「共同担保」として複数物件を差し出すことで、評価額の合算が可能になり、借入限度額を引き上げることができます。
9. 借入額を増やすためのポイント
- 高評価が出やすい都市部の物件を担保にする
- 建物の管理状態を良くしておく
- 他の債務(住宅ローンなど)を減らしておく
- 複数物件を担保にする
- 金融機関を比較する
10. 審査基準とその通過のコツ
審査で見られるポイント
- 不動産の評価額と権利関係
- 所得・年齢・職業
- 他社借入状況
- 信用情報(CICなど)
- 返済比率(年収に対する返済割合)
通過のための対策
- 収入証明書類を正確に用意
- 共有名義なら全員の同意書を取得
- 事前に信用情報をチェック
11. 借入に向いている不動産とは
- 都心部や駅近の物件
- 再販価値が高いエリア
- 築浅・リフォーム済の建物
- 需要の高い投資用マンションやビル
12. 借入額が少なくなるケースと対策
よくある原因
- 地方で流通性が低い
- 築年数が古い
- 接道義務違反や法的瑕疵
- 既に他のローンで抵当権設定済
対策
- 別の担保を追加
- 他社での再評価
- 担保以外の信用力をアピール(収入など)
13. よくある質問と回答
Q1:相続した古い家でも担保になりますか?
→ 評価額によりますが、土地に価値があれば可能です。
Q2:ローン残債がある家でも担保にできますか?
→ 残債より評価額が上回っていれば可能です。
Q3:自己資金がないけど借りられますか?
→ 不動産の価値次第で融資可能。ただし金利は高めになる場合も。
Q4:借入額に税金はかかりますか?
→ 借入そのものには課税されませんが、登記に伴う登録免許税などが発生します。
14. まとめ
不動産を担保にすると、**評価額の50〜80%**程度が借入可能額の目安になります。
ただし、評価の基準や融資掛目、借入先によって大きく変わるため、正確な見積もりには「事前審査」や「不動産評価」を受けることが重要です。
借入額を少しでも多くしたい場合は、「評価されやすい物件を選ぶ」「金融機関を複数比較する」などの対策が効果的です。