
ハコスカGTRの概要
ハコスカGTR(Nissan Skyline GT-R KPGC10)は、日本自動車史における伝説的なモデルです。1969年から1971年にかけて生産されたこの初代GT-Rは、その愛称「ハコスカ」(「箱型スカイライン」の略)で広く親しまれています。ハコスカGTRは、日産が生んだスポーツカーの金字塔として、今なお多くの車好きに愛されています。
(出典:YouTube)https://youtu.be/cz5Oe7kGSII?si=RvvNVeXa6aHlMBjm
ハコスカGTRの歴史
ハコスカGTRは、プリンス自動車が開発したスカイラインのスポーツバージョンとして登場しました。1969年に発売された初代GT-R(PGC10型)は、セダンタイプとしてデビュー。その後、1970年にはよりスポーティな2ドアクーペタイプ(KPGC10型)が追加されました。
このモデルは、当時の国内モータースポーツシーンで大活躍し、わずか3年間で50勝以上を記録。日本のツーリングカーレースを席巻し、「走る伝説」と称されました。
ハコスカGTRのスペック
- エンジン: 2.0L 直列6気筒 DOHC(S20型エンジン)
- 最高出力: 160馬力 / 7,000rpm
- 最大トルク: 18.0kgf·m / 5,600rpm
- トランスミッション: 5速マニュアル
- 駆動方式: FR(フロントエンジン・後輪駆動)
- 車両重量: 約1,100kg
S20型エンジンは、当時のプリンス自動車が誇る技術の結晶であり、高回転域まで鋭く吹け上がる特性を持っていました。このエンジンの存在が、ハコスカGTRを「ドライバーズカー」としての地位に押し上げた要因です。
ハコスカGTRのデザイン
ハコスカGTRの最大の魅力は、そのクラシカルで武骨なデザインです。直線的なボディラインと丸型4灯テールランプが特徴的で、「ハコスカ」の愛称通りの「箱型」フォルムが魅力です。また、オーバーフェンダーやスポイラーなど、当時のレーシングカーを彷彿とさせる外装パーツが装着され、スポーティな印象を強めています。

プロドライバーのインプレッション
元レーシングドライバー 山田 健一のコメント
「初めてハコスカGTRをサーキットで走らせたとき、その軽快さとエンジンのレスポンスに驚きました。S20型エンジンは、まるでバイクのような高回転域までストレスなく吹け上がり、160馬力という数値以上のパワー感を感じさせます。現代のスポーツカーと比べれば確かにパワー不足は否めませんが、車重が約1,100kgと軽いため、コーナーでの身のこなしがとても軽快です。」
「特に印象的だったのは、ステアリングフィールです。パワーステアリングがない分、路面からの情報がダイレクトに伝わってきます。サーキットで攻め込むとき、車と対話しているような感覚を味わえるのは、ハコスカならではの魅力ですね。」
現役プロドライバー 鈴木 翔太のコメント
「現代のGT-Rとは全く異なるキャラクターですが、ハコスカGTRには“操る楽しさ”が詰まっています。高回転域でのS20エンジンの咆哮は、ドライバーをその気にさせる音ですし、シフトチェンジのたびに感じる“機械を操っている感覚”が最高です。」
「ただし、古い車なのでブレーキ性能や足回りは現代車に比べると劣ります。特にサーキット走行ではブレーキフェードしやすいので注意が必要ですが、それも含めて“腕”でカバーする楽しさがあります。まさに“漢の車”という表現がぴったりです。」
ハコスカGTRの人気と価値
現在、ハコスカGTRはクラシックカー市場で非常に高い評価を受けています。保存状態が良好な個体やレストア済みの車両は、数千万円で取引されることも珍しくありません。その希少性と歴史的価値が、世界中のコレクターから熱い視線を浴びています。
まとめ
ハコスカGTRは、日本自動車史における象徴的な存在であり、モータースポーツでの輝かしい戦績とともに今も語り継がれています。プロドライバーからの評価も高く、その「走る楽しさ」は現代のスポーツカーとはまた違った魅力を持っています。
ハコスカGTRに関心がある方は、クラシックカーイベントやオークションでその勇姿を見る機会をお見逃しなく。