

この記事ではこんな疑問にちゃんと答えます。
- 貯金ゼロでも新車に乗れるって本当?裏ワザあるの?
- 「頭金0円OK! 月々◯万円~」ってよく見るけど、あれって本当にお得?
- くるまのサブスク・残クレ・ローン、どれが一番ヤバい?どれが一番安全?
- 将来的にいくら損するの?ヤバい落とし穴はどこ?
- 「今はお金ない。でも車は必要」っていう人がやるべき一番まっとうな選択肢は何?
カーライフ系の専門店やディーラーでの購入提案・返済の仕組み・リスクまで整理して、営業トークに負けない知識を持てる内容にします。
(筆者注:本記事は一般的な販売・ローンの仕組みをもとにした情報提供であり、個別の与信判断・契約条件は販売店や信販会社ごとに異なります。最終判断は必ず契約書と見積書を確認してください。)
目次
- 「頭金ゼロでも新車OK」は当たり前になっている
- 頭金なしで新車を手に入れる主な方法【3つ+1】
- ① オートローン(頭金0円)
- ② 残価設定ローン(残クレ)
- ③ クルマのサブスク(リース)
- ④ 友人・家族の名義を使う?それは絶対ダメ
- それぞれのメリット・デメリットを正直に比較
- “落とし穴”はここだ:後から一気に困る瞬間ベスト5
- 「とりあえず月々安いプラン」は本当に危険?
- 頭金ゼロで行くなら、これだけは交渉・確認しておけチェックリスト
- それでも迷う人へ:こういう人は新車より「ちょい中古」が勝ち
1. 「頭金ゼロでも新車OK」は当たり前になっている
昔は「頭金は最低でも20〜30万円ください」「ボーナス払い入れてね」というのが普通でした。
でも今は、ディーラーも中古車販売店もはっきりこう言います。
- 「頭金0円からOKです」
- 「月々1万円台〜で新車乗れます」
- 「車検も税金もコミコミです」
なぜか?理由はシンプルで、車を一括で買う人が減ったからです。
車は高くなっていて、軽でも200万円クラス、ミニバンは400万円~当たり前。
その結果、「月額課金モデル」に近い売り方(ローン・残クレ・サブスク)が主流になりました。
つまり今の自動車マーケットでは
「現金ない=買えない」ではなく
「現金ない=月額でなんとかする」
という考え方が完全に標準なんです。
ここまでは夢のある話。でも、ここからが本題です。
“月額でなんとかする”にはタイプがいくつかあって、性質が全然違います。
間違えると、3年後・5年後・7年後にめちゃくちゃ困ります。
次の章でそれぞれの仕組みをやさしく分解します。
2. 頭金なしで新車を手に入れる主な方法【3つ+1】

① オートローン(頭金0円でフルローン)
いちばんイメージしやすいのがこれ。
- 車両本体価格+諸費用をまるごとローンにする
- 頭金ゼロでもOKというケースは普通にある
- 返済期間は3年~7年くらいが多い
- ローン完済すると車は完全にあなたのもの
いわゆる「普通のローンで全部借りる」パターンです。
✔ メリット
- 最終的に完全に自分の資産になる
- 走行距離制限なし
- キズやカスタムも自己責任で自由
- 売れば現金化できる(万が一、生活が苦しくなってもリセールで逃げ道がある)
✔ デメリット
- 毎月の支払い額はそれなりに高くなる
- ローン審査は基本的にあなた自身(収入・勤続年数・信用情報)
- 金利によって総支払い額がかなり増える
→ 金利3%と6%では、数十万円単位で差が出ることもある
イメージとしては「ちゃんと全部自分で買う。ただし分割」という正攻法。
お金はないけど信用はある人向け。
② 残価設定ローン(いわゆる残クレ)
ディーラーがよく推すやつです。CMで「月々◯円〜」ってやってるのはほぼこれ。
仕組みはこうです:
- 3〜5年後にこの車は〇〇万円の価値が残ってるはず、と“将来の下取り価格”を最初から決めておく
- あなたはその「残りの金額だけ」を月々払えばいい
- だから毎月の支払いが安く見える
例えば:
車両価格300万円
→ 3年後の残価が150万円と設定された
→ あなたが支払うのは「300-150=150万円+金利」だけ
→ そりゃ月々は安いよね、というトリック
3〜5年後、契約満了時に選べる選択肢はだいたい3つです。
- 車を返す(そこで終了)
- 残価150万円を一括で払って買い取る
- さらにローンを組んで乗り続ける(再ローン・再残クレ)
✔ メリット
- 月々の支払いがとにかく安い
- 新車に短いサイクル(3年ごとなど)で乗り換えやすい
- 定期点検込みプランなどメンテがラクなこともある
✔ デメリット(ここ重要)
- 契約期間中は走行距離に上限がある(例:年間10,000kmなど)
- 外装・内装の傷に厳しい。修理代を後でまとめて請求されることがある
- 3年後に「残価150万円」を一括で払える?っていう現実問題
- 市場価値が下がりすぎて残価より安くなっていた場合、その差額はあなたのリスクになることも
つまり残クレは「安く乗り始めて、後ろにリスクを押し出す」契約です。
スタートは天国、契約満了時に地獄になる人が一定数いるのはここ。
③ クルマのサブスク(個人向けリース)
最近増えている「税金・保険・車検・メンテ全部コミコミで月額いくら」というやつ。
ざっくり言うと“長期レンタカー+そのままマイカーみたいに使える”イメージです。
- 初期費用(頭金)ゼロで契約できることが多い
- 自動車税・車検費用・オイル交換なども基本込み
- 月額を定額にしたい人にはわかりやすい
- 名義はリース会社側になることが多い(つまりあなたの資産ではない)
契約満了時の扱いはプラン次第。
返却して終わり、乗り換え、買い取りOKなどいろいろあります。
✔ メリット
- とにかく準備金ゼロで乗れるハードルが低い
- 家計管理が「スマホ代+車代」というサブスク感覚でラク
- 税金の支払いタイミングで困らない(突然のまとまった出費がない)
✔ デメリット
- 走行距離の上限あり
- 禁止・制限される改造が多い(ホイール変えるのもNGな場合もある)
- 中途解約がほぼ不可能、もしくは違約金がとんでもない
- 「自分の車」ではないので売って現金化できない
要するに「お金はない・でも固定費管理は得意」タイプには相性いい。
逆に「途中でライフスタイル変わるかも」という人には向きにくい。逃げづらいから。
④ 家族名義・友達名義でローンを組んでもらう
結論から言うと、これはやめた方がいいです。
- 法的には名義人がオーナーだから、トラブルのもと
- 万が一支払いが遅れると、その人の信用情報(いわゆる信用スコア・クレヒス)に傷がつく
- 別れた/ケンカした/相続/離婚で一瞬で争いのタネになる
本当にやめておいた方がいい。
「それなら中古の安いクルマ現金で買った方がマシ」というレベルで地雷です。
3. それぞれのメリット・デメリットを正直に比較

月々の安さランキング
安い順に並べると、だいたいこうなります。
- 1位:残価設定ローン(残クレ)
- 2位:サブスク/リース
- 3位:通常ローン(フルローン)
「え?サブスクより残クレのほうが安いの?」
→ そう、残クレは“車の一部代金だけ”払ってるから、スタートはめちゃ安いです。
ただし。
契約満了後の自由度ランキング
自由度が高い順に並べると逆転します。
- 1位:通常ローン(完済すれば完全に自分の資産)
- 2位:残クレ(買い取れるが高額一括や再ローン前提)
- 3位:サブスク/リース(基本は返すだけ。資産にならない)
つまり
「今ラクしたい人」→ 残クレやサブスクが魅力的
「後でラクしたい人」→ 通常ローンが安定
ここ、営業マンはあまり強く言いません。あなたがハマってくれたらOKだから。
でも実際は“どこでラクしたいか”の話です。
4. “落とし穴”はここだ:後から一気に困る瞬間ベスト5
落とし穴1:ボーナス払い
「月々1万円台〜」の見積もり、よく見ると
ボーナス月に10万円×年2回とか入ってませんか?
→ ボーナスカットになった瞬間に詰みます。
→ しかも「やめたいです」は通らない。契約だから。
チェックポイント:
- 見積書の“支払総額の内訳”に、年2回の特別支払いが入っていないか必ず見ること。
落とし穴2:走行距離オーバー
残クレ・サブスク系は「年間〇km以内」という制限がよくあります。
オーバーすると1kmごとに追加請求。塵も積もれば数万円コース。
・通勤距離が長い人
・休日に子ども連れて遠出多い人
・趣味がドライブの人
このタイプはまじで距離制限に引っかかりやすい。
「距離オーバー常習の人」は普通のローンの方が結果的に安いことがある。
落とし穴3:キズ・へこみ・車内の汚れ
返却前に“査定員タイム”が来ます。
バンパーの擦り傷、ホイールガリ傷、シートの飲みこぼし、ペットの爪痕…。
「通常使用ではない損傷」と判断されると、修理費を請求される可能性あり。
子育てファミリーや、DIYで穴開けたりする人は要注意。
落とし穴4:ライフイベントの変化
- 急に転勤で車いらなくなった
- 結婚してミニバンが必要になった
- 逆に離婚して軽で十分になった
- 仕事をやめて収入が下がった
このとき普通のローンなら「売って残債をまとめて処理する」という逃げ道がある。
でもサブスク/リースは途中解約が基本めっちゃ高い。
「じゃあ返します」で終わらないのが本当にキツい。
落とし穴5:満了時のデカい一括
残クレの最大の罠はここ。
3年後に「残価150万円です。どうします?」と突然聞かれる。
現金150万円をサクッと出せる人って、そもそも“頭金ゼロ勢”じゃないことが多い。
そこでまたローンを組むことになると
あなたは「ずっと支払い続ける人」になります。
終わらないサブスク化です。
5. 「とりあえず月々安いプラン」は本当に危険?
結論:
・あなたに“出口プラン”があればOK
・出口がないなら危険
出口プランって何?というとこんな感じです:
- 「3年ごとに新車を乗り継いで、ずっと最新に乗る」
→ 距離少なめ、キズ管理できる人向き
→ つまり“車は最新の家電”と割り切れる人 - 「5年後に買い取るつもり。そのときまでに貯金する」
→ 満了時に一括で払うお金を、あらかじめ積み立てておく
→ これができるなら残クレでも全然アリ - 「リースだけど、絶対に途中で生活スタイルは変えない」
→ 単身赴任などライフサイクル安定してる人は噛み合う
逆にダメな例:
- 「よくわからんけど、月々安いしこれでいいや」
→ これが一番ヤバい。
→ 安い代わりに縛りがいっぱい、出口でデカい請求、距離制限…。
“未来の自分がなんとかしてくれる”に丸投げしてるだけになりがち。
6. 頭金ゼロで行くなら、これだけは交渉・確認しておけチェックリスト

これはディーラーや販売店でそのまま読み上げてOKです。営業マンは一気に黙ります。
- ボーナス払い入ってませんよね?
→ 入ってたら「ボーナス払いナシで、月いくら?」と聞く。 - 金利(実質年率)は何%?
→ ディーラーローンは高いことがある。
→ 銀行系マイカーローンの方が低いなら、見積もりだけもらって銀行に持ち込むのも手。 - 総支払い額はいくら?
→ 「月々◯円〜」じゃなく、ローン完済まで合計いくら払う?を数字で確認する。 - 走行距離制限は何km/年?
→ あなたの生活パターンを正直に話して上限を上げてもらえないか交渉する。 - もし途中で手放したくなったら、いくら支払う必要がありますか?
→ 解約金・中途清算金・残債を必ず聞く。
→ ぼかす販売員は要注意。逆に、ちゃんと数字で答える営業は信用できる。 - 満了時(3年後・5年後)に請求される金額は?
→ 残クレの場合「その金額を一括で払えなかった場合どうなる?」までセットで聞く。 - バンパー擦ったらいくら請求されます?
→ リース・サブスク系では特に聞く。これが高い会社はやめた方がいい。
この7つを聞くと、“安いはずなのに高いプラン”はだいたいバレます。
逆にちゃんと答えてくれる営業マンは、あなたの味方になりやすいです。
7. それでも迷う人へ:こういう人は新車より「ちょい中古」が勝ち
ここまで読んで「うーん…正直ちょっと不安」と感じた人。
あなたはむしろ賢いタイプです。
実は「登録済み未使用車」「1〜2年落ち」「走行1万km未満」みたいな“ほぼ新車”の軽自動車・コンパクトは、総支払いで見るとめちゃくちゃ合理的なことが多いです。
理由はこうです:
- 新車価格から最初の1〜2年でガクッと値落ちする部分は、もう先に誰かが負担してくれている
- でもまだ保証が残ってたり、状態はほぼ新車
- ローンも普通に組める(頭金0円もよくある)
- しかも将来売るときのリセールもそこそこ残る
つまり
「今まとまったお金はない」
「でも将来、身動き取れる状態はキープしたい」
こういう人は、実は“ちょい中古”がいちばん安全です。
逆に、「いやいや、俺は3年でどんどん乗り換えて常に最新型乗る派だから」という人は、残クレやサブスクの考え方と相性がいい。
そこはライフスタイルの話で、正解は人それぞれなんです。
まとめ:頭金ゼロで新車に乗るのは、悪ではない。ただし…
覚えておいてほしいポイントをラストに並べます。
- 頭金ゼロは今どき普通。恥ずかしいことではない。ディーラー的にも想定内。
- 「月々安いです!」の正体は、支払いを未来に押し出してるだけ。どこかで清算タイムは必ず来る。
- 自分のライフスタイル(距離・キズ・家族構成・転勤リスク)に合わないプランを選ぶと、後からまとめて苦しくなる。
- 一番まずいのは「よくわからんけど安いからOKしちゃった」です。必ず“満了後どうするのか”を決めてからサインする。
そして最後に、これは超重要です。
▶ 「出口」を決めてから契約する。
- 3年後に返すのか?
- 5年後に買い取るのか?
- 7年後にはローン完済して維持費だけで乗り続けるのか?
ここさえ決まっていれば、頭金ゼロの新車購入は「無謀」じゃなくて「戦略」になります。
逆に出口がないまま契約すると、それはただの“未来の自分への丸投げローン”になります。
あなたはどっちでいきますか?
- 毎月ラクする人?
- 将来ラクする人?
この答えで、選ぶべきプランはもうほとんど決まっています。












